2009年5月28日木曜日

生き物のかたち:エイ

生き物のかたちは多様です。
どうしてそんな姿になったのか?

運動と関連させて見てみると、面白い世界が広がってきます。

そんなわけでちょっとシリーズ化するかもしれません。
基本的に私的な解釈が中心です。その点ご留意下さい。



(トビエイ 作者:Janderk

サメと同じ軟骨魚類
(サンマやイワシ、アジなどなど、通常食卓に上る魚は硬骨魚類)

言葉通り、骨格が軟骨で構成されています。

硬骨よりも古い構造とされ、
人間にも軟骨魚類の時代があったと言われています。

軟骨魚類には浮き袋がありません。代わりに肝臓に脂を貯めることで比重を軽くしています。


サメの肝油が有名。







平べったい体

エイは種によって丸かったり、菱形だったりしますが、
みな平べったい体という特徴があります。

私は底面が拡大された状態として見るのが面白い、と思ってます。

なぜ底面が拡大されるかと言いますと、
おそらく体が重くなるにつれ、沈むことに抵抗をしたのではないかと考えてます。

抵抗と言っても激しいものでなく、緩やかな抵抗です。

胸びれという腕を一杯に広げることで、水を受けとめようとしているように見えるのです。

暴れるわけでもなく、腕を一杯に広げて水に乗るような行為です。

  両手一杯に水という環境を受け止めて、
  自分という重さや形を知るような
  そんな印象を受けます。

分析的に見ると
筋肉に頼る運動よりも、形態を利する省エネな遊泳に見えます。

ヒレを自由に波打たせ、海底をホバリングするように移動することもあります。

背骨の運動

背骨の運動に特徴があります。

魚類⇒爬虫類⇒哺乳類のごく一部

までは背骨が横に波打つ運動をします。

しかしエイはあまり横波をしません。

大きく広い胸ヒレが頭から尾に向かって波打つように泳ぎます。
(アカエイ)







マンタになると羽ばたくような印象を受けます。

また背骨の前後(上下?)波というほどの運動はありませんが、マンタなどは海老反るように回転できます。回転は20秒くらいのところから、グワーンとプランクトンを捕食してます。(2009/5/30追記)



マンタで有名なジャンプもあります。
6秒くらいのところ、真ん中で飛びます。


尾ヒレ

ほとんどの魚類は推進力として尾びれを横に波打たせるのですが、エイはそうした泳法を止めたからでしょうか、尾ヒレは水を押すには不十分な細いものに退化しております。

また腹ビレも退化傾向が強く、胸ビレが非常に優位に発達を遂げた、という見方が出来ます。

「使えば発達する」
という見方をすると、

胸ビレの極端な発達はそのように使い続けてきた、

悠久の営みを感じさせる存在に見えてきます。

また推進力としては不十分な尾ヒレにも

悠久の営みが隠れているものと思えてくるのです。
(つづく)


※この記事はエイのうち、アカエイトビエイを中心に書いてあります。

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