クラッシックに詳しいわけではないのですが、ピアノを弾かれる方が来室されているので、ちょいちょい面白いお話を伺います。
何年か前にホロヴィッツの弾き方は、「指を伸ばしてポロポロと、、、」と伺い、ときどき見返し、聴き返しております。
一般にピアノの弾き方は、「卵を握るように、、、」と習うようですが、ホロヴィッツの指はきれいに伸びております。
素人なので偉そうなことは言えないのですが、その音の質も、ポロポロといった指の運びがそのまま聞こえてくるような気がします。
手のアップが続く、ありがたい動画。
大きな手で包み、慈しむように弾くのが印象に残ります。
また長く伸びた親指に透徹した力を感じます。なかなか見れない親指です。
さてさて、どうしてときどき見返すかといえば、自分の整体の技術のためです。
長く伸びた指が鍵盤の向こうまで力を通している感じ、鍵盤の向こうも感じ取っている感じ、それを盗みたいんですね。
ポロポロといった印象を残す指の運びが、そのまま音に反映するのですから、その指は鍵盤の向こうで弦を叩くハンマーまで届いているに違いありません。
ボタンを押せば鳴る機械であれば、どのように押しても大差ないでしょうが、ピアノはそうはいかないでしょう。鍵盤の抑え方には技量の差が出るものと思います。
このあたり整体と同じです。
急所を押せば効く、といった機械的な理解を離れて、どこにどのような力を送るか、が大事です。
ホロヴィッツの指は、それをよく教えてくれていると思います。