2008年1月29日火曜日

末端から中心を変える

整体の考え方のひとつに中心から末端を変える、というのがあります。


世間的に一番知られているのは、足裏マッサージや足湯です。
ちょっとやり方が違いますが、整体の中にも似たものがあります。
(詳しくはいずれの機会に譲ります)


末端の刺激が中心に伝わることで中心が変わる、というのは非常に面白い考え方だと思います。


通常、トレーニングと言われるものは、
腕を鍛えたら腕が変わる、
指を鍛えたら指が変わる、


そう考えます。
それでも足湯などが流行るわけですから、末端の刺激が中心を変える、と何となく受け入れているのだと思います。


それでは、末端に負担が掛かると中心に負担が掛かるでしょうか?
答えはイエスです。


指先の労働が思いのほか疲れるのはそのためです。
やはり体は全部繋がっているのです。


末端に出てきた症状は古い、というのがあります。
中心の負担が末端に及ぶまで時間が掛かる面があります。


指先の小さなシビレには歴史を感じます。
足の親指だけが冷える、ということもあります。


大きな症状に至らなければ、問題はない、というのもひとつの考えですし、
その通りのことは多いのですが、


整体指導者は小さな問題に、時に大きな問題を感じます。
誰もが体を強くしていくことを大切にしてほしいものです。

2008年1月16日水曜日

手のいった処

井本整体を学び始めて最初のほうで言われることに

「手の行ったところが答えです」


というのがあります。
やみくもに手を動かして手の行くところを探すわけではないのですが、
型を通してそうなるように勉強していきます。
技術的には無数の型があります。



井本先生はよく
「どうしてそこに手が行くのかな?
   と思って考えてみたら、こういう理由でした」とか

「考えてみましたけど、分かりませんでした」
「よく分からないけど効く」
というようなことを仰います。


理論的には整体独自の見方もあれば、
医学的な事実を整体的に捉えたものもあります。

非常に分析的で、理論的に相当な重層構造を感じるときもあれば、


「何か罪のようなものではないか?」
という観念的なことを仰ることもあります。


いずれにしましても
井本先生はいつも体が勝手に動くそうです。

わたくしは型を通して、そうなるように進むのみです。

2008年1月8日火曜日

風邪をひけ?熱をだせ?ガンにならないからだをつくる?

野口晴哉氏が「風邪の効用」を著してから数十年が経ちます。


帯評に山口昌男氏のコメントが載っておりました(山口氏の著書からの抜粋)。
確か新しい風邪の捉え方ウンヌンと書いてあった気がします。


山口昌男といえば文化人類学の権威です。

ここでも再三書いておりますが、病気というのは生物・医学的な現象かもしれませんが、病気観は文化と言えます。

今は医療人類学というのがジャンルとしては当てはまるようですので、こういう分野でも風邪について考察してほしいと思うのです。整体はその最前線ではないかと思います。

整体では風邪に対して治る・治す、という言葉はあまり使いません。かわりに“経過する”という言い方をしております。

言葉の使いようと言えばそれまでですが、病気観の転換がますます必要な世の中になってきたと思います。

井本先生が以前に「病気と上手に付き合って生きていく」
というフレーズに現代の病気観を感じられていました。

「最近はそういう言い方をするんだねえ」
と先生独特の響きのあと、何か考えられておりました。

その何か、は分かりませんが、井本邦昭先生の最初の本は


「風邪をひけ!熱をだせ!」です。
サブタイトルは~ガンにならないからだをつくる整体法~

もう12年も前のことです。
この本には井本先生の風邪に対する考えと整体法の基礎が書かれております。


風邪による体の調整作用を止めてしまうために、いずれは大きな破壊をしなければならなくなる。それがガンとなることが多くなってきた。


小さなツケを払わないでいると、ついに大きな負債を払う時が来る。
当時の世の中と絡めてそんなふうに書かれています。


この本は長い間絶版となっていたのですが、2年ほど前に三樹書房から復刊されましたので、興味のある方はご覧になってみてください。








2008年1月5日土曜日

アキレス腱と頭の緊張

アキレス腱は頭の急所になります。

と言うとちょっと訝しく思う人も多いかも知れません。


一番分かりやすい例として、緊張すると爪先立ちになってくるというのがあります。


椅子に座って一所懸命に人の話を聞こうとするあまり、爪先立ちになってしまった経験は誰でもあるかと思います。



こんなとき

椅子に座ってなくても、試験の前、上司の前、大切な人との待ち合わせ、


「今日は言わなきゃ」
「あれとこれを言おう」
「あれ?何だったっけ?」


いろいろと頭が忙しくなってくると爪先立ちになってきます。
駅のホームや待ち合わせポイントで、ぴょこぴょこと何度も何度も爪先立ちになってる人を見ると、頭の中を想像してしまいませんか?

子供の頭の緊張

子どもや幼子にも見られることがよくありますが、
大人同様に頭の緊張を疑います。


慢性的な強い症状の場合に、アキレス腱の一部を切断することもあります。
アキレス腱のストレッチで、ある程度の回復をみることもあるようです。

整体ではどうする?

整体体操にもこうしたところを伸ばす体操があります。
ポイントとして腰とつなげることがあげられます。腰とつなげて伸ばすことで、伸びた分の力が腰に帰っていきます。
形だけまねることは出来るのですが、ポイントを押さえる事は意外と難しいものです。専門家の直接指導が必要になってきます。

こんな時にも

この体操は他にも、妊娠中の逆子直し、梅雨時季に湿気にやられた時などにも有効です。




形はかんたん。でも決めるのは難しい。そんな体操です。

お問い合わせ

名前

メール *

メッセージ *

最新の投稿

 『大衆運動』エリック・ホッファー 『一揆論』松永伍一

 『大衆運動』エリック・ホッファー 新訳が出るとのこと。読みたいですね。この時代に新訳が出るのは意義深いと思います。 ホッファーはなぜ人々が集まって社会運動をするのか? という単純な疑問から人間の性質や来し方行く末を思索する。 一つ一つの論考が短めに完結していて、含蓄満載なので読...

人気のある投稿