2010年12月31日金曜日

よいお年を

大晦日となりました。

学生時代以来、いわゆる大晦日らしい感じもなくきております。
たまには大晦日らしく紅白でも?
と思ってもテレビを設置しないままここまできてしまったので、
わざわざ出す気にもなれません。



今夜の楽しみは

遠くのほうで聞こえる除夜の鐘を聞くのと、

娘が起きていれば、近所の神社に行くことです。



今年は道場移転がありました。

おかげ様で、いい雰囲気の道場に育ってくれております。

この調子で、「来ると元気になる」

そんな道場を目指したいと思います。



東京の方も

来年は原則毎週土曜日に神楽坂で操法をします。

時間を増やして暇になるのも困るのですが、
患者さんに結構ご不便を掛けてきたため、思い切りました。

時間があいたら、考え事でもしようかと思ってます。





今年も多くの方に支えていただきました。

ありがとうございました。



来年も、、

いえ来年はより多くの人を支えていけるよう、

技術を磨いてまいります。





皆様、良いお年をお迎え下さいませ。



磯谷整体 磯谷聡一

2010年12月9日木曜日

タラウマラ族5 BORN TO RUN

お断りするまでもなく人間は生き物です。

そしてまた人間も構造物です。解剖学が発達し、人間の構造は明らかにされたと思われています。よりミクロな世界、例えばDNAや化学反応の機序など、更なる研究が進められていますが、構造物としてみた場合、その意味や読み方はまだまだ研究の余地が残されているように思うのです。



それでは引用から

「建築物を見てみるといい」とハートマン博士は説明している。あなたの足の設計図を眺めてみれば、何世紀にもわたってエンジニアたちが匹敵するものをつくりだそうとしてきた驚異の存在が見て取れるだろう。足の中心となるのは土踏まずだ。重量を支えるためのデザインとして、これほど優れたものは歴史上見当たらない。あらゆるアーチの素晴らしさは、圧力をかけられると強さを増す点にある。押し下げられれば下げられるほど、アーチの各部分はぴったりとかみ合うのだ。有能な石工ならアーチの下に支えをつけるような真似はしない。下から押し上げれば、構造全体を弱めることになるからだ。足のアーチをあらゆる面から強化するのは、二六の骨、三三の関節、一二のゴムのような腱、そして一八の筋肉からなる伸張性の高い網であり、これはいずれも耐震構造のつり橋のように収縮する。



BORN TO RUN P252(足底筋膜炎にかかわる記述)


>有能な石工ならアーチの下に支えをつけるような真似はしない。
これは靴の土踏まずにクッションを入れることを批判しております。
自分の足を活かすには?足の働きを引き出すには?
意味深い一節です。
>有能な石工
それはあなた自身のことと言えます。


本書では靴のクッション性を高めたことで踵からの着地が増え、故障が増えたとしています。
私自身は長距離においてはそう思いますが、全ての局面での踵着地は否定できないと思っております。

進化途上を考慮すると、踵が接地すること自体が新しい能力であり、現生種絶滅種を比較してもマイナーな部類ですので、その使い方はまだまだ発展途上にあるように思えます。

発展途上にあるということは、その能力はいまだ失いやすい面があるということです。多くの文明人が失い、タラウマラ族は今もそれを活かしているのではないでしょうか。


本書に登場するウルトラマラソンランナー、スコット・ジュレクは走ることを追求するために日本の山岳修行者にまで学んだそうです。体を活かす方法とは、ひとつの智慧であると思われたのではないでしょうか。


私自身は療術を学びながら最終的に井本整体に辿り着きました。体を活かす方法と智慧が詰まっていたからです。足だけ触ってもみな違い、そして働きの悪いところを見つけ、体全体との関係を読む方法を教えてくれました。


もちろん体の読みは他の世界にもありますが、観察結果に過ぎないものが多いように思えます。
「読み」とはそこに何の骨があるということではなく、より総合的、包括的な問題と思います。
体の読みとは、そこに炎症があるとか、ここが歪んでいる、とかで終わることではないと思うのですが如何でしょうか。



この本では、体の構造を踏まえ、これを読み、活かす方法を探ります。
その智慧と結論をタラウマラ族から見取ろうとするのです。
そしてそれが内面的な変化までもたらすことを見つけます。
その道程だけでも、著者の行動力に敬服します。


そして白人でありながらタラウマラの世界に身を投じたカバーヨ・ブロンコ。
彼もかつてそこに何かを見つけにきた一人だったのです。


最後に印象的な一節を紹介します。
カバーヨ・ブロンコが著者に語る場面。


こんな話をした。もし本気でララムリ(タラウマラ族のこと:磯谷注)を理解したいなら。九五歳の男が山を越えて四〇キロの道のりを歩いてきた場に居合わせたらよかったんだ。どうしてその老人はそんなことができたか分かるか?誰からもできないとは言われなかったからだ。老人ホームで死んだほうがいいと言うものはいなかった。人は自分の期待に沿って生きるんだ。


BORN TO RUN P71



はてさて、私たちはどうでしょう。
何も走ることだけではありません。


われわれ日本人も、
自分の体を活かすことを
もっともっと考えてもいいのではないでしょうか。



(シリーズお終い)






2010年12月3日金曜日

お知らせ

1月より日数を増やすことに致しました。
新規の方は現在、神楽坂のみで受け付けとなります。
ご予約はお早めにお願いします。

12月操法日:11,25(全て土曜日)

1月操法日:8,15,22,29(全て土曜日)



ご案内




千葉県南柏室 紹介のみとなります。

東京神楽坂室 新規受付致します。



【南柏室案内】

定休日:水日祝

日曜日しか来られない方はご相談下さい。

講習会などで不定期に休むことがあります。



【神楽坂案内】

新宿区神楽坂4-7 旅館「和可菜」にて

操法日に旅館の一室をお借りしています。旅館へのお問い合わせはご遠慮下さい。




大きな地図で見る



連絡


 電話 080-4172-7337

 メール info@isoyaseitai.com

  • 操法中はお電話に出られません。留守電にメッセージをお残しください。
  • 休業日はお返事が遅れることがあります。
  • メールは携帯に転送してありますが、稀に転送に数時間かかることがあります。



諸注意


 ・顔の下に敷くタオルをご用意下さい。

 ・体を見やすい、柔らかい素材の服装でお願いします。(更衣室あります)





 <操法を受けた日は>

 ・飲酒はお控えください。

 ・入浴は8時間を経過した後、軽めにお願いします。

 ・激しい運動はお控えください。

 

タラウマラ族4 BORN TO RUN

デヴィッド・キャリアはアメリカの科学者で、呼吸と歩行走行様式の関係を研究している人です。
わりと知られている研究としては「トカゲは走りながら呼吸できない」というのがあります。

左右に波打ちながら移動するため、肺が交互に圧迫を受けまして、そのせいで適切な速度での換気が出来ないのです。

トカゲがチョロチョロ動いたかと思うと、パクパク呼吸しているのはそのためです。両生類・爬虫類のほとんどはこうした事情を抱えているため、持久走での狩猟が苦手で瞬発的な動作で獲物を捕らえようとします。


例外もいてオオトカゲなどは口の中に空気を貯めて、飲み込むように肺へ空気を押し入れることが出来ます。
もっと詳しく知りたい方はこちらを御覧ください→キャリアの抑制

個人的に呼吸と運動についていろいろと調べておりますので、この本でデヴィッド・キャリアが登場しているのは、望外の喜びでした。
いくつかピックアップして紹介します。

ダン・リーバーマン、デニス・ブランブル等、他の科学者も絡んでくるのですが細かいところを忘れてしまいました。話が混ざりますがご了承下さい。

■哺乳類を「走る/歩く」を基準に二分を試みます。以下要約です。

・走る部類は大殿筋が発達し、アキレス腱がある。
チンパンジー:大殿筋が全くないに等しい。アキレス腱無し

・走る部類は項靭帯(首の後の靭帯)がある。
あり:犬、馬、人間
なし:チンパンジー、豚

・人類で比べる
400万年前のアウストラロピテクス:アキレス腱なし、後頭部がなめらか
200万年前のホモ・エレクトゥス:アキレス腱の痕跡、項靭帯が収まる浅い溝があった。

■人類は発汗による放熱という動物の中では唯一の能力を獲得した。

・毛皮のある動物は、もっぱら呼吸で涼をとる
・体温調節システム全体が肺に託されている。
・汗腺が数百万もある人間は、進化史上に現れた史上最高の空冷エンジン
・チーターは直腸温40.5度で走るのをやめる。
(獲物を追うとき呼吸の持久力が尽きるのではなく、体温上昇が限界に来るため走れなくなる)

■多くの四足動物は走るときに内臓が浴槽の中の水のように前後するため呼吸に制約を受ける。

・チーター
前足接地:胃腸が前方の肺に食い込む→息を吐き出させる。
体を伸ばす:内臓は後方にスライド→空気を吸い戻す。

・この動きのために1ストライド=1呼吸となる。
・すべての走る哺乳類が、そのサイクルに縛られている。
・例外は人間だけ


ニューヨーク・タイムズの記事を翻訳して下さっているブログがありました。
人間はマラソンのために作られた : 英字新聞で読もう!で、NY Times によりますと・・・

「走るために生まれた(ランニングマン)仮説」は要するにダン・リーバーマン、デニス・ブランブルによって提唱されているようです。
上の記事を読むと、人によっては本を読む必要はなくなるかもしれませんね。

ウィキペディアにも要約がありました。ちょっと違う角度からですが、引用させてもらいます。
米国はユタ大学のデニス・ブランブル(Dennis Bramble)とハーバード大学のダニエル・リーバーマン(Daniel Lieberman)は2004年、初期人類は、動物遺体から屍肉を集め、石を使って骨を割り、栄養価の高い骨髄を得ることを生息手段とする、一種の腐肉食動物であったとの仮説を提唱した。人類は競合者に先駆けて動物遺体を手に入れるため、発汗による高い体温調整能力を始めとし、弾性のあるアキレス腱や頑丈な脚関節といった「速いピッチでの長距離移動の能力」を進化させ、広い地域を精力的に探し回る者として特化したとするものである。 このような適応の傾向と栄養価の高い食物が大きな脳の発達を可能にしたのではないかと説いた。

Wikipedia


さてここでお節介にも本書の意義。


呼吸・移動様式・進化、こんな三つのキーワードを巡ってくれる本はそうそうありません。非常に嬉しいことです。

この本(恐竜はなぜ鳥に進化したのか―絶滅も進化も酸素濃度が決めた)も多少そんな話に触れていますが、酸素濃度というのが私には難しかったです。




このシリーズ、もう一回続きます。



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