2021年11月25日木曜日

コロナ禍の先を見据える思考を!

コロナ禍の中、多くの人が「リスクとベネフィット」を考えるようになった。しかしこの考え方だけでは、いずれ通用しなくなると思う。

今後、様々な感染症がやってくると思われる。「リスクとベネフィット」がすぐに分かるわけではない。分かった頃には手遅れの場合もある。そんなときは何を手がかりに考えるのだろう。

また、来年のインフルエンザワクチンは遺伝子ワクチンになりそうだが、毎年打ってる人はどうするのだろう。今から考えているのだろうか。

これからはあらゆる感染症に遺伝子ワクチンが作られるだろう。感染症ばかりではない。非感染性の疾病にも遺伝子ワクチンが作られるだろう。それはもうワクチンとは呼べない。ワクチンという概念さえ消える可能性がある。

損得勘定を磨く前に思考を磨かなければ罠にはまるだろう。

例えばこのコロナ禍においてはどう考えればいいのだろう?

私が思う適切な考え方は以下になる。すでに遅いが最初に考えるべき事をあげる。

  •  病気のリスクはどのくらいあるか?
  • 自分が乗り越えられる範囲か?
  • 自分の周囲が乗り越えられる範囲か?
  • 社会全体として乗り越えられる範囲か?
  • それぞれの範囲で工夫の余地はあるか?
  • それぞれの範囲内で起こる、他の負の事態と比べて重大と言えるか?
  • それは自然界の中で正常な流れなのか?
  • これらを理解した上で、ワクチンならワクチンの効果を理解していかなければならない。

今起こっているコロナ禍について言えば、多くの人が病としてのコロナを精査しないままに、ワクチンのメリットを見つけようとしている。
少なくとも私にはそう見える。これは是正すべき問題点が分からないまま対策に飛びついている状態であり、何かよく分からないけど、まわりにつられて行列に並んでいる状態に過ぎない。期待の根拠がワクチンのメリットならまだしも、根拠が行列であるなら危険な状態だ。意を決して考え直した方がいい。

私が思う適切な考え方をもう一つ上げる。

「なるべく自分の力で乗り越えたいという志や意思をもつ」

これが一番重要だ。

はじめにこの志がないと、事態を把握しなくてはという切迫感が生まれない。眼の前にあるリスクがどの程度なのか?乗り越える気で観察しなければ何も分かってこないものだ。

志のないまま科学的思考に頼り、それで賢く乗り切れると思っている人が結構いるが、人生観を見直した方がいいと思う。厳しすぎるだろうか。

科学的思考というのは思考プロセス上で用いる道具に過ぎない。科学的思考が人間らしい志を醸成してくれるわけではない。科学的思考という道具に無闇な幻想や快感を抱いてる人は気をつけた方がいい。はじめに正しい志や意思を持たなければ、科学的思考は力にならないと知るべきだろう。

また「少しでも得したい」「少しでも得する方へ」といった思考傾向も排除しなくてはならない。それはほとんど「リスクを選びたくない」といった甘えに由来する思考だからだ。

「自分が得することを考えるのは当然だ」とあえて考えたり、主張したがる人もいるが、わざわざ考えなくてもいいことだ。利己心から離れられる人はいない。同様に利他心を置き去りに出来る人もそうはいない。思考停止を誘うような断定は避けるべきだ。

道徳的なことを書いたが、自分を振り返れば恥ずかしくなる。それでもあえて書いたのは、利己心が正解を隠してしまうと知ってほしいからだ。皮肉なことに、利己心を捨てないと自分の命を危険にさらしてしまう。今はそういう状況だし、今後はさらなる事態が起こる。

生きているからにはリスクがある。誰でも知っていることだ。課題と言い換えれば分かるだろうか?何かしら乗り越えること、解決すべきことがあるから生きる力が湧き、充実があるのだ。

「感染症は意思で乗り越えられるものではない」「病気は別物」、そう思うかもしれない。

しかし今回のコロナ禍で気づいた人も多いと思う。

「人間の思考がコロナ禍を継続させてしまっている」

コロナ禍を抜け出せないのは政府の愚策はもちろんであるが、人々の思考が罠にはまったまま抜けられないのが最大の原因だ。

締めくくりとして繰り返す。

「リスクとベネフィット」という考えは道具に過ぎない。「リスクとベネフィット」には何の意思も含まれない。われわれが持つべきは、自分自身と社会を正常化していく志と意思だ。

ワクチンとワクチンパスポートに危機感を感じるのは、それが異常な社会へ向かっていると思うからだろう。これからも危険な事態がいくつもやって来ると思う。

心して生きなければならない。


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