2009年6月25日木曜日

シャンプー

えー、娘(二歳半)と一緒にお風呂に入っております。

まあ普通の親バカというかバカな父親の光景そのままです。


この間「お!」と思いました。

いつもシャンプーをしてもらうのですが、その力加減が非常に安定してきたのです。

ちょっと前までは髪をなでる様にしか洗えなかったのですが、指先から力を流せる様になりました。

自分の頭は洗えても、人の頭を洗うときにはこれが結構難しいのです。

風呂場は滑りやすく不安定です。
指先から力を送るには、第一関節にしっかりとした力が入らないと出来ません。

また第一関節に力が入るには、腰が安定していないと難しいのです。ただ指先に力を入れるだけでは鷲掴みになってしまい、力は流せず、本人が後に転げてしまいます。

左右の手の力が上手く合っているのも重要です。

呼吸器が安定しないと合ってきませんし、

合ってないとこちらの頭を安定して捉えられなくなります。


面白いものです。
こんなところでも成長や体調を計ることが出来るのです。


興味のある方はどうぞ試してみてください。

ただし受けるほうも安定していないと、分かりにくいです。

また風呂場ですので、不用意に動くと転倒の原因になります。

以上2点ご注意くださいませ。

2009年6月18日木曜日

決め技

門下生(内弟子)生活で何をするの?とか
どんなことを習ったの?とか

聞かれることがあります。
人によって違いますので、一概に言えません。


具体的な技術の話をするわけにもいきません。


このあいだ
あ、そういえば、というのを思い出しました。


「“決め技”を何にするか?」

という課題をいただいたことがあります。

それぞれ一番得意なものを、井本先生の体をお借りして評価していただきました。
こういう課題で先生に評価していただけるのは、大変貴重な経験でした。


ところで“決め技”ってなんでしょう?

分かりにくい話ですが、
“決め技”という考え方は整体の特長をよく表している気がします。

整体の技術はみな中心に力を集めるようになっておりますが、“決め技”で体に覚えこませている、と私は感じます。

最後にひとつ“まとめる”と言いますか、“統一させる”というような、そんな感じです。

そしてもちろん「こうしてもらった」という患者さんの中に残るものとして必要になります。


しかし
これで“決める”というのは、日常的には通用する考え方ですが、手技療法としては話が通りにくい考え方のようです。
純粋な技術上の観点もありますが、感受性を大切にする整体ならではの発想を感じます。なかなかこういうのは、はっきりとした技術として認識されにくいのです。


一般的には“決めゼリフ”なんていうのもありますので、誰もが知っております。

他にも
宴会の後に“三本締め”をしないと“決まり”が悪いような気がする、とか
拍子が揃ってないとやり直したくなるとか、あります。

エンジンを切るときは必ず一度空ぶかしする、とか

靴の紐は最後に「キュ!キュッ!」と二回締める、とか

ライターを軽く手の中で遊んでから火を点ける、とか

映画のエンディングロールが好き、とか


何となく自分の“決まった感”や“腑に落ちる感”を大切に生活するかたは多いかと思います。

またそういうのが“決まらない日”は何となく落ち着きません。

体が“決まりにくい状態”なのでしょう。

“決め技”が必要なのかもしれません。

整体はそんな技術です。

2009年6月15日月曜日

お腹の子に名前を!

妊娠中に話しかけをしている方は多いかと思います。

整体でもそのように指導しております。
妊娠中に“話しかけ”をして育った子は、生まれた後もよく気の通る子になります。分かりにくければ、話が通る、とご理解ください。


名前をつけて呼んでる方はいらっしゃいますか?

そういう方は結構めずらしいかもしれません。

なにしろ名前というと、
「男の子かな?女の子かな?」

ともうひとつ悩んでしまいます。

そういうことは気にされなくて大丈夫です。
あだ名のようなものを名づけてみて下さい。

もっと話しかけやすくなります。
そしてもっと返事が返ってきます。


その子の感じから名づけるといいです。


と言いつつも
我が家では豆くらいの大きさだからと
早々に「マメ」という名前になりました。

そのせいかどうか豆好きです。

逆子の時も話しかけるだけで戻ってくれましたので
“話しかけ”の効用ってなかなか便利です。

一応申しますと
整体には逆子直しの操法や体操もありますが、
必ずしも逆子を否定しません。
その方が子供にとって都合がいいこともある、ということです。


“話しかけ”の方法
方法と言うほど大げさなものではありませんが、
大げさな“話しかけ”をイメージする方もおりますので、
念のため書いておきます。


普通のことを話します。
「ご飯食べますよ」とか
「階段上るよ」とか
「面白かったね」などです。

妊娠中にびっくりするようなことは避けた方がいいですが、
思わず遭遇してしまった時など
「びっくりしたねぇ」
「もうだいじょうぶだよ」

といったことを話してあげるのも大切です。


また、必ずしも声に出す必要はありません。
心の中でも話は通るものです。

母と子のつながりを、
早い時期から確かなものにされてください。

きっと、話の通る子になりますよ。

2009年6月6日土曜日

自然の法則!?

自然の法則という子育て自論です。
おもに1歳未満の赤ちゃんの時期についてです。

いつもながら非常識な見解です。

自分の娘の教育方針では、妻とけんかになることも珍しくありません。
その程度のこととして、お読みくださいませ。

揺らがぬ強さを

以前にも英才教育には興味がない、と書きましたが相変わらず興味はありません。

興味があるのは、

いかにしたら体の自然が確かなものになってくれるか?
体に自然の摂理・法則が身につくか?
それが揺らがぬ強さを持てるか?

ということだけです。


物が落ちる、水が流れる、風が吹く、雨が降る、陽が射す、花が咲く、葉が落ちる、枝が揺れる、種が転がる、、、、、

なんでもいいのです。

いわゆる自然はさほどない環境ですが、自然を感ずる機会はいくらでもあります。

いろんな場面で、なるべく体いっぱいに感じてもらえるようにしています。

物が落ちる

物が落ちることだけでもいろいろやります。

身近な例では洗濯物を洗濯ばさみからはずす時に、落ちることを一つ一つ見せました(目が動くようになってからです)。

興味を示さなかったり、不思議そうに見たり、手を伸ばそうとしたり、反応はその時々です。

体で感じてくれるようにタイミングを計りながら落とすと、不思議なことにそれが安心になったり、笑顔になったり、不安を誘ったりします。

いろいろと...

外出時に風が吹けば、抱きながら風を一緒に受け止めるように心がけます。こちらが風を嫌がると一緒に嫌がることを覚えます。

「すごい風だねぇ」とか
「いい風だねぇ」とやります。

風という自然現象を、そのまま受けてみることから始まったほうがいい気がします。

雨でも同様です。
さすがに赤ちゃんを濡らすことはしませんでしたが、室内では怖がらないようにしながら窓際でよく抱いてました。

雨音という自然な音やリズムを感じて欲しかったのです。

「ト、ト、ト」なり「ポツ、ポツ、ポツ」なり

怖くないように一度真似をするのも心の準備になります。


雷も同様です。

雷が鳴った日など、私は帰宅すると妻に
「雷見たか?怖がってなかったか?」

とよく聞いてました。
妻も結構そういうのは好きらしく、いろいろやっていたようです。
「見た見た」とかやってるんですからおかしな夫婦です。

雷を怖がることも大切ですが、雷神のような「強さ」や「畏れ」を感じてもいいのです。

閃光に脅威したり、壮快を感じたり、とにかく必要以上に恐怖を与えないようにしながら、体一杯に感じてもらえるように工夫します。

お月さまもよく見せます。
月の光はやわらかいので安心です。
長いこと見ていても体に障(さわ)ることは少ないものです。
(赤ちゃんにとって光は大きな刺激です)

満ち欠けもあり、雲に隠れることもあり、大きさ、色合い、
とにかく表情が多彩です。
娘は10分も20分も見てることもあります。


そうそう、シーツをパタパタと波打たせるのもよくやります。
これはかなりの興奮です。
本人にやらせてると、いつまでたっても布団が敷けないのが困りものです。

まとめ

例を挙げるとキリがないのでこの辺にします。

そうやって自然を身につけて何がいいの?
と問われれば、

「不自然なものを感じられるようになる」
「自然体という強さが身につく」

ということです。

出来の悪い夫婦ですので、過度な期待はしていないのですが

「自然さ」と言いますか
「当たり前さ」と言えようか

そんなものをしっかりと身につけたほうがいい気がしています。



※赤ちゃんにとって光や大きな音、振動などは大きな刺激です。
 その点、よくよく気をつけてください。

 面白いと思われた子育て中の方、どうぞコメントを!



(2009/06/08 シーツパタパタの話を加筆)

2009年6月2日火曜日

生き物のかたち:サメ

生き物のかたちは多様です。
どうしてそんな姿になったのか?

運動と関連させて見てみると、面白い世界が広がってきます。

今回はサメについて書いてたのですが、最後は整体の話になってしまいました。


さてサメです。
エイと同じ軟骨魚類です。

まずは有名なホホジロザメ。
ほほが白いという穏やかなネーミングよりも、獰猛な習性が有名。
ウキブクロを持たない軟骨魚類の中でも特に、体が流線型・紡錘形をしています。


似たような体型をして、海の中で最強と言われるシャチがおります。
シャチは肺呼吸ですから、ウキブクロはありません。

紡錘形

ちょっと両者を比較します。

サメは魚類の常識通り、背骨は左右に波打つ運動をします。
シャチは哺乳類(シャチはイルカ)の常識通り、背骨は前後(上下?)に波打ちます。

尾ひれの形によく表れてます。

サメは飛行機の垂直尾翼
シャチは水平尾翼

のごとくなっております。

両者とも紡錘形

紡錘形の形態は、水の抵抗を逃がすことはもちろんですが、多方向に発達した筋肉の表れでもあり、多方向への運動性、強い運動能力を感じさせます。同じように紡錘形が強調される魚にマグロもいます。


両者とも胸ビレは体の底面を構成するような位置にあります。
(サメ、エイ、クジラ、イルカ共通)
ただちょっと付け根の角度や位置に違いがあるのが面白いところです。

体(顔)の先端がとがるということは、水を切り裂く方向に自由が利くということになります。

ジンベイザメ


サメですが、性質は大人しめです。

体はホホジロザメに比べ頭部が扁平しています。

通常時の遊泳速度は時速5kmということですから、元気な大人が歩く程度の速度です。

口は体の先頭に位置します。
エサはマンタやシロナガスクジラなどと同様にプランクトンです。

よくよく見てほしいのは、開口の後に来る消化管の拡張です。
短いですが、何度か出てきます。
すいませんが、がんばって2分間見てみて下さい(最初は20秒目くらい)。

全身

いかがでしょう。
全身で食べている姿を感じませんか?

それでは人間はどうでしょう?

  食べること
  運動すること
  呼吸すること

これらをみな別々の運動として考えてはおりませんか?
しかし本来は全て関係したものであり、
それぞれが協調しあうことで初めて上手くいくものなのです。

 尾ひれを使い体を前に押し出しながら、
 ちょうどいいタイミングで口を開け、
 続いて消化管(呼吸器官でもある)が拡張し、
 体を伸ばしながら掃除機のごとく給水し、
 閉鎖しながらエラから排水し、
 排水しながらプランクトンを濾し取り、
 その後に飲み込むのです。

移動という運動があり、
という運動もあり、
呼吸という運動もあるわけです。


みなバラバラに成立するでしょうか?

人間はそこそこバラバラに行える面がありますが、

動物の自然な姿として、

全てが協調し合っていた方が、

健康的に思えてくるのは私だけでしょうか?

人間にいたる歴史はきっとそのようになっているはずです。

協調があるからこそ、命がつながってきているのだと思います。

私は、体が協調し合っている人に健康を感じます。



整体操法が運動系統から沢山のものにアプローチ出来るのは、

ひとつにまとまった姿に方向付けるからであり、

運動を動物本来の働きとして見ているからだと思っています。



(つづく)

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