前口動物と後口動物では、
背腹軸が逆転しております。
神経管と腸管の並びが逆なのです。
・前口動物 腹側から神経管、腸管
・後口動物 腹側から腸管、神経管 の並び
何故逆転したか?
という問題を遺伝子解析で見つけようともしているようです。
私は、どちらが腹で、どちらが背中か?
というのは移動時における上下という
外環境を基準とした相対的な見方ですので、
逆転という言い方は混乱が大きいように思います。
ですので、遺伝子解析をしてもあまり面白い結論は出ないのではないか?
と門外漢ながら考えています。
ソフトウェア
「移動様式の背腹軸逆転」といういわばソフトウェア的な問題として
考えて見たほうがいいのではないでしょうか。
あえて引き合いに出せば、
人間の上下は直立二足歩行なので
背腹軸は90度違います。
ここに背腹転移の因子をみる場合、
運動というソフトウェアをまず考えるのと一緒です。
決定要因
移動様式を決定付けた問題として第一に重力と浮力ではないかと思っております。
前口動物では、腸管側の浮力
後口動物では、腸管発達による重量の拡大
こういうものが移動時における上下を決定したように思うのです。
第2に考えているのは
運動傾向の違いです。
神経管と腸管を基準に考えた場合
・前口動物では、神経管方向への屈曲が優位
・後口動物では、腸管方向への屈曲が優位
大雑把にそういう発達傾向を感じます。
・毛虫の尺取り移動
・海老の跳ね方
・イカなど屈曲が極度に加速して口と肛門がくっついたような形に見えます。
進化史上、
前口動物の方が早くに隆盛を誇り、
種の数も多彩です。
(現在でも多彩な進化を続けているようですので、前口動物というのは運動器の進化発達が早いような気がしております)
移動という運動は前口動物が先に多様な進化を遂げ、
後口動物はそのころ、多様な腸管発達をしていたのではないか?
と思うのです。
二次的な支持
「前口動物は手足が腹側から生えている」という言い方もありますが、これも紛らわしい言い方です。
私なんかすぐ混乱してしまいます。
もうひとつ付け加えて、
「後口動物は背側ですが、
どちらも神経管側から生えています」
というのはどうでしょう。
構造上は
前口動物の足は机のように体(板)を支えておりますが、
後口動物の足はハンモックのごとく二次的に体を支えます。
この二次的な支持は
後口動物の運動を複雑多様なものにしている反面
理解しにくいものにしているようです。
背腹軸のロジックに相対性の感覚が抜けてしまうように、
この辺の感覚に人間の頭は混乱するようです。
これもまた面白い問題ですね。