2010年5月24日月曜日

重さがあるから動くのだ

「タイトル通りなのだ。 これでいいのだ」

とバカボンパパのようにいきたいですが、そうもいきません。
一応、馬シリーズ、前回からの続きとなります。

まず、重さが運動に加算されるのか?
というところから始めます。


一般的には、重さは運動における負荷と見ますが、
使いようによっては、加担されると考えております。


「やじろべえ」などを見れば分かるように、
「両腕の先端に適当な重さ」があることで、動きが生まれます。

最初に「適当な力」を加えれば、しばらくは動いております。
「適当な力」「適当な重さ」の度合いが重要となります。

動物の運動はこれほど単純には見せてくれませんが、
いくつか例を上げてみたいと思います。

フィギュアスケート選手は腕を振ることで、体を回し始めます。
スピードスケート選手は腕を振ることで、足にその力を伝えます。

平均台に上がった人は両手を伸ばしてバランスを取り、
綱渡りでは、わざわざ長い棒を使うことさえあります。

逆に体を先に振ることもあります。

野球選手はボールを投げる時に、腕より先に体を振まわし、
イチロー選手などは打つ時にも、バットより先に体を振っております。

さて馬の話
「アゴに分銅のような働き」

首の太さや長さは、それ自体が重量物の特性を生かすことで、体を運ぶ働きに加算されます。
そして顔の先端、カギ型(首から顔の形状)の先端に重量物が少しあると、首の運動に加算されます。

馬は長い顔を持っております。
ニューっと伸びた顔の先に大きな前歯があります。
伸びた先にちょっとした重量物があることで、
首の運動に加算されているように見えるのですが、いかがでしょうか?


蹄のある動物のアゴはそこそこ似通っているのですが、
馬の場合、こんなふうに顔を振り回しているうちに、
顔が更にニューっと伸びまして、
馬面となったように見えてくるのです。


これが走行に加担するために、
サラブレットなどの競走馬のほうが、
馬面がより進んでいるように見えるのは私だけでしょうか?

われながら甘い理屈と思いますが、今のところそんなふうに見ております。

2010年5月11日火曜日

動物運動の多様性その2 ~馬の走り

馬、
哺乳綱奇蹄目ウマ科ウマ属
馬の運動ってどんななのでしょうか?

どんな運動を創り出した種なのでしょうか?

一般的に歩行様式は、四肢の接地順(右前肢→右後肢・・・など)で分類されます。
馬の歩行はバリエーションが豊富であり、競馬や馬術に歴史があるおかげで研究が盛んです。
ですので、本稿ではそうした一般的な分析はしません。
有り体に言えば、常識はずれな話であることをご承知おきください。




以前にもちょっと取り上げましたが、馬は斜めに走ります。

(アニメGIF動画、動いてない場合は、ブラウザをバージョンアップしてみてください)
首の動きにひとつのアクセントを感じないでしょうか?

比較してバッファローを見てみます。

伸びやかな首の動きがありません。
馬とはずいぶん違うことがお分かりになるかと思います。


先の馬の動画、
顔を左に向け、右斜め方向に走っています。

よく見ていただきたいのは、口先・首から上胸部に掛けて
ひとつの主導権のようなものを持っているところです。

そこを動かし、全身に運動を波及させている感じです。


馬に手綱さばきが通用するのも、主導権のある場所に手綱を掛けているのが一因ではないでしょうか。


対照的な動物は?
と考えますと、チーターがちょっと対照的です。

チーターが尻尾による方向転換をするのはよく知られております。

どんな感じか?
車のハンドルを切ったら後ろのタイヤが曲がるような感じ、ではどうでしょう?

運動の違いを物語るかのように、両者の首と尻尾の発達度合いは対照的です。
チーターに手綱をつけても捌きにくそうですね。
試しに尻尾につけてみたらどうでしょうか。
ま、冗談ですが・・・

ネコ科の動物全般、尻尾は発達してますが首は短めです。
比してイヌ科となると尻尾も首も発達しております。
首と尻尾だけで比較すると、馬とネコの間にあります。
ではどんな運動か?
そんなことを観察するのも面白いでしょう。
(今回は取り上げません)


ちょっとしか出てきませんが、チーターを見てみます。
チーターの顔のブレの”なさ”(最初の数秒)が見所です。
胴体の激しい動きがありながらも、顔は安定した場所にあり続けます。



1分47秒:走る馬の正面スローがあります。

見比べると馬の特徴がよく分かりやすいですね。
首をクイッコ!クイッコ!やってるのよく分かるかと思います。
ちなみに馬が停止する時、左右にブルブルやってるいのも、そんな運動方向の表れだと思います。


さて、首から上胸部に向けて片方に向くと、どんな作用があるのか?
試しに馬の真似をしてみました。

首の力をちょっと抜きまして、首を伸ばしながら、
そして軽く投げ出すように左を向いてみます。
すると右の肺が拡張しながら、右手にドンっと力が乗ります。
(しかし止まったところからやると、左手にかかると思います。
走ってるつもりで、馬の真似をしてみて下さい)
また右の鼻の穴から右肺までの気道が開放されるような感じがあります。

長距離を走るには片肺ずつ偏りを持たせる方が、体力が持つのでは?
そんな気がします。

そういえば学生時代、持久走で疲れてくると、右へ左へしながら走ってる人がいました。
彼の先祖は馬だった?
きっとそうに違いない。もっとよく観察しておくべきでした。

角速度
自転車などで緩やかなカーブを曲がるとき、車体を少し倒しただけでスピードに乗ってきます。
倒れるときの角速度が進行方向に加算されるわけです。
何となく無風状態といいますか、あくせくこぐことから開放されて楽になる瞬間です。
映像的にもよく使われるシーンですね。きれいな女性がスイーっと通り過ぎるような・・・

馬もそんな角速度と片肺モードを使っているのでは?
と思っております。


さて馬の真似について、補足しておきます。
左に向いていくと右手に重心が掛かります。

このとき馬ならどちらの足をつくか?
これはあまり重要ではありません。
重要なのは重心が体の外へ外れていくことです。
ここに馬の走法の妙があるのだと思います。

2010年5月10日月曜日

動物運動の多様性その1

動物の進化とは不思議なものです。

多様な現生動物の祖先も、元を辿れば1種類であり、
すべての生物が派生モデルと言えます。



四つ足で歩く動物も、
海の中を回遊する動物も、、、

同じ人間でも、
あいつ宇宙人か?と思えるような頭のイイ人も、
あいつ地底人か?と思えるようなアンダーグラウンドな人も、、

みな、溯れば、
 系統樹の幹に吸収され、
  一箇所に集まって行くのです。

数えきれないほどの多種多様な動物、
何かに適応するために進化を遂げたようですが、
高度に進化したと思われる動物が
単細胞のままの生物に滅ぼされたりします。

海で生まれたとされる生命ですが、
なぜか陸に上がったものがおります。

みんなが四つ足で歩いている中で、
わざわざ二本足で歩いているのがおります。
それもなるべく直立しまして、
姿勢を良くしましょう、などとやっているのです。

そんなくたびれた人をつかまえて、
整体をする人までいるようです。

四つ足の動物たちから見たら、
無理して立たなくても・・・四つ足でいいじゃん。
「俺らと同じはいやなのかよ、、」
などと思われているのかもしれません。

人間はどうも、かなり、直立して二本足で歩きたい生き物のようです。


そんな進化を決めたのはDNAなのか、
それとも神なのか、

いろいろあっていいと思いますが、

私は動物の進化を決めたのは

「運動の創出では?」

という視点で考えるのが好きなので、
ひとまずそこから考えております。

動物の中でも人間は、
これまた多様な運動をします。

野生動物の運動はほぼそのまま生命活動に直結し、
何代もかけて同じような運動を繰り返していきます。

対して人間の運動は、
生命活動と直結しないものが溢れております。

仕事上、生活上は言うに及ばず、
スポーツなど、ほとんど生きるのに無用なものなのに、
一所懸命練習しております。

みんながいろんな運動をしているため、
整体では一人一人の体を読み
オーダーメードで操法することが要求されます。


さて、その人間の運動を見ていくのも大事ですが、
動物の運動を見ていくのも面白いものです。
動物のほうが何代もかけて同じような運動をしているせいか、
形態的にも変化が見られ、分かりやすいのです。

さて次回は本題に入ります。
(すいません)

2010年3月27日土曜日

ハリモグラの動きから~その2

生まれたばかりの赤ん坊は歩けません。

当然ですね。

動物の中には生まれてすぐに歩き出すものもありますが、
人間においては、
寝返りもうてず、
這うこともできず、
ましてや歩くことなどできません。

しかしそんな存在だからこそ、
成長を見つめることの面白さがあります。

今回は”ハイハイ”をテーマに見つめてみます。






ムーニーマン、ハイハイ用です。


いかがでしょうか?

前回のハリモグラの動画をもう一度見てみます。


なんとなく共通点が見えてきたでしょうか?

この時期の赤ん坊は
背骨を左右に動かしながらハイハイをします。

肘の位置も特徴となります。
足腰に重心が掛かってこないうちは、
肘が外に張り出すような形となります。

これもハリモグラや、は虫類に共通しています。

そしてハイハイも終わりの時期が近づくにつれ、
肘が後ろにおさまってきます。
重心が足腰に掛かるようになってくるのです。



ほとんどの哺乳類はそんなふうに肘頭が後ろに向いております。

しかし
人間の大人であってもくたびれてくると、肘が外に張りだしてきます。


逆に頑張ろうとして、肘を内に捻るようにしている人もおります。

犬でも犬種による違いもあるでしょうが、
老いて肘が外に張ってきているのがおります。
これも大分くたびれてきたんだな、と感じるわけです。

肘だけでも表情があり、
人間だけでなく動物全般を見渡してみても面白いものです。

余談ですが先日「大哺乳類展」に行ってきました。
ハリモグラの骨格標本の前で、

「赤ん坊がハイハイしてるみたい・・・」
といっている人がおりました。

ホントにその通りです。
なんとなく分かるんですね。


人間の成長に悠久の時を感じるしだいです。


▼ハイハイ 参考サイト

ずりばい YouTube - ずりばい

はじめてのハイハイ YouTube - はじめてのハイハイ

ハイハイ
 YouTube - ハイハイ

おすわり 赤ちゃん
 YouTube - おすわり 赤ちゃん
高速ハイハイ
 YouTube - 高速ハイハイ

はじめてのたっち
 YouTube - はじめてのたっち

はじめてのあんよ
 YouTube - はじめてのあんよ

みんなYouTube動画です。
こんなキーワードで検索すると沢山出てきます。
赤ちゃんの成長度合いを読んでみるのも面白いと思います。

2010年3月24日水曜日

ハリモグラの動きから~その1

(C)Roepers

ハリモグラ(エチヅナ)、オーストラリアとその周辺に生息。
一応哺乳類、念のため。

仲間はカモノハシ、一般に単孔類と呼ばれ2種しかおりません。


一応整体ブログですが、
個人的に動物について考え、
人間というものを見つめ直すのが好きです。

好みでない方もいらっしゃるでしょうが、
お付き合いください。


さてハリモグラ
哺乳類ですが、卵を産みます。
母乳で育てますが、乳首はありません。
乳腺からしみ出る乳汁で育てます。

尿道、肛門、生殖孔は分かれておらず、
総排泄腔という一つの穴ですべてをまかないます。
そのため単孔類と呼ばれることもあります。

こんなふうに哺乳類の特徴が少し中途半端なため、原始的な哺乳類とされております。

ここで動画を見てみましょう。


いかがでしょうか?

”よっこらよっこら”歩く姿が愛らしく、憎めない印象をあたえます。
犬や猫など同じ四つ足で歩く動物とは
何かが違うという印象を受けます。
なぜでしょうか?


脊椎動物の歴史をさかのぼると、
魚の時代は背骨を左右に波打つことで推進します。
陸に上がり、は虫類の時代も背骨の運動は主に左右です。

これが哺乳類になると、前後や上下の方向が加味されていきます。
ところがこのハリモグラはそういった動きを持たないのです。


それでは、は虫類を代表してオオトカゲに登場してもらいましょう。


いかがでしょうか?


体を左右に動かしているのがよく分かります。



生命の歴史には
「運動」
というソフトウェアが積み重ねられているのが
お分かりいただけるかと思います。

続く。。。

▼参考
ハリモグラ - Wikipedia

Echidna - Wikipedia, the free encyclopedia

ハリモグラ - 哺乳類(哺乳綱) - Yahoo!きっず図鑑

川崎悟司イラスト集・ハリモグラ


2010年2月24日水曜日

めまい ~コップの水を運ぶ

となりのホームで電車が走りだすと
こちらの電車が反対に走り出したような錯覚を覚えることがあります。

うちの娘は前歯を「イー」とやって磨くとき、
顔を左右に動かします。


ちょっと考えれば分かることなのに、
なぜ間違うのでしょうか?
なにか感覚が優先されるのでしょう。

たとえば、
人間の平衡感覚とは何を基準としているのでしょうか。そんなことを考えてみたいと思います。

平衡は耳の中の三半規管で感じ取ります(脳の中で視覚情報などを統合して処理するようですが、そのへんはちょっと難しいので、今回は耳に絞って話を進めます)。

三半規管には、三つの管があります。
大雑把に概念モデル的に見ます。

三つの管はそれぞれ、前後、左右、上下、三方向を軸にしています。管の中には水が入っています。

人間が動くと、水はその場にとどまろうとしますので、管の中では流れが生じます。

動いた方向によって、流れが生じる管が変わり、どの方向に動いたかが分かるわけです。

人間が前に動けば、水は後ろに流れ、前に動いたという情報が脳に送られるのです。

こんな話をご存知でしょうか?

「クルクル」回転して目が回った場合、
   反対に回ると平衡感覚が元に戻る。


平衡という生理的な狂いを、意識的な運動で回復させるのです。

三半規管の仕組みを想像すると納得がいくのではないでしょうか。

”めまい”というのがあります。
ちょっと動いただけなのに、大きくまわりが動いたように感じる。
耳を調べても異常が見つからない。

そんな時
「何か運動に問題があるのかも?」

私はそんなことを考えます。

耳の中の水を上手に運ぶのは、まるでコップの水を上手に運んでいるような行為です。
体がゆるんでいるほどに、それは上手に運べるのではないでしょうか。

整体では胸椎5番を耳、平衡の急処と見ます。ここの動きが悪いと、耳鳴り、めまいなどを疑います。

そういう教わり方はしていませんが、
三半規管の水を運ぶ運動の軸となっているのではないでしょうか。

そんなわけで、
耳そのものに因(よ)るめまいもあるでしょうが、耳に因らないめまいも考える必要があると思います。

いずれにしましても、”耳寄りな話”と、思っていただけたなら幸いです。

2010年1月29日金曜日

うんちをすると・・・


「うんちをすると、涙が出るんだね」


涙目で娘(三才)が言いました。

子どもの発見は、時に刺激的です。
さて、うんちと涙は関係あるのでしょうか?


以前、括約筋や心臓について書いたことがありますように、整体では括約筋を皆、関連づけて読んでいきます。


これだけでは面白くない話ですが、


”大便の時に涙ぐむ”

というとちょっと面白くなります。

肛門は括約筋で出来ており、涙腺もまた、小さな括約筋といえます。
ひとつがゆるむと、他もゆるむという運動の関連性を見つけられるのです。

老人が涙もろくなる、なんていうのもこういう関係だと思います。
他にも、毛穴が閉じず汗が引かない、
なんていうのも、体の他の状況と照らし合わせると面白くなります。

みなさんも生活の中で括約筋を見つけてみてはどうでしょう。



他の動物で見てみます。

「海亀の産卵」

ヒレ状の手足で不器用に砂浜を掻きながら上陸
産卵時に浮かべる涙

生命のたくましさと
子孫を遺さんとする「産みの苦しみ」

見ていて感動を誘います。

しかし整体指導者として観察すると、
「産卵で括約筋がゆるんだんだな」

さらにわたし流の観察として、
「産卵で排出した体温は、どうやって回復させるんだろうか?
 海に帰っても寒くない体の働きとは?
 亀は泣くのだろうか?
 人にとって、泣くとはどういうことなのだろう?」

などと色々考えてしまいます。
生き物の働きというのは、興味がつきません。



娘はずい分早い時期から
”うんちをすると涙が出る”という発見をしておりました。

視点が整体向きかな?
などと親バカな事を感じます。

そんな娘が最近新たな発見をしました。

「大人はうんちの時、涙が出ないんだね」

さらに続けて

「そうか!眼鏡をかけてるからだね。
           邪魔になるからね」



幼いなりに、いろいろ考えるようです。

お問い合わせ

名前

メール *

メッセージ *

最新の投稿

 『大衆運動』エリック・ホッファー 『一揆論』松永伍一

 『大衆運動』エリック・ホッファー 新訳が出るとのこと。読みたいですね。この時代に新訳が出るのは意義深いと思います。 ホッファーはなぜ人々が集まって社会運動をするのか? という単純な疑問から人間の性質や来し方行く末を思索する。 一つ一つの論考が短めに完結していて、含蓄満載なので読...

人気のある投稿