2010年8月19日木曜日

タラウマラ族

タラウマラ族、メキシコ先住民。
↓まずは動画を御覧ください。前半に走っている女性たちがタラウマラ族です。
YouTube - Last Woman Standing - Tarahumara: Mountain Endurance Race - BBC Three


 

一応ここにも載せておきますが、サイズが小さくなっております。



いかがでしょうか、とても体の緩んだ人たちです。
”力強い走り”とか、”苦しさ”とか、無縁な印象を受けます。

体がゆるんでいると、こんなふうに動きに快適な印象を受けます。
整体指導で体が硬い、とか緩んでる、とか言うと、
柔軟性と解釈される方がほとんどなのですが、
そういう意味ではありません。

例えばこのタラウマラ族のように、
動きに柔らかさや、軽快さがあるということなのです。

例えば動画の3秒目あたり。
オレンジ色の女性が岩場をきれいに切り返します。
体が硬直してくると、こういうふうに動けなくなるものです。
7秒目、集団が岩場を駆け下りる姿はまるで野生動物のようです。

私たちがいかに体を固めて生きているのか、
そんなことを思います。

そして全体を通して伝わってくる”明るさ”
生きているってこういうことかな、と思います。


さてこのタラウマラ族、足の速い部族として有名です(長距離)。
トレイルランニングに出場し、ダントツの速さでゴールしたそうです。

BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”

↑こんな本があるそうです。

図書館で予約したら5人待ちでした。
マイナーな話かと思いましたら、興味をもつ方も多いんですね。
待ってる人たちの興味はなんでしょうね?

ちなみに私の興味・・・

江戸の飛脚のスピードは550キロを二日半~三日だそうです。
参考はこちらのページ→江戸文化歴史検定

大雑把な計算ですが、
「特急便」の飛脚のスピードはタラウマラ族の倍くらい。
タマウマラ族の姿に飛脚の姿を重ねてみたかったのですが、更に速かったようです。

うーん、ちょっと残念。


2010年8月3日火曜日

人間の放熱

熱中症のニュースが増えてまいりました。
エアコンの使用を促す声も増えております。
意地を張る方もおりますが、暑ければ素直にエアコンを使うなり涼しいところで過ごすほうが健康的ではないでしょうか。




人間の放熱はどんなシステムなのか?
そんな普通の話です。

例えば暑い時に肌が赤くなってまいります。
血液が皮膚に近いところを流れているのです。

寒い時に肌が白くなってきます。
血液は皮膚から遠いところを流れているのです。

体温は体の中心にいくほど高くなってまいります。
平熱を超えた時には体温を外に向かって配らなくてはなりません。
そんなわけで暑い時には皮膚に近いところの毛細血管が拡張し、放熱するのです。

しかしながら外気温が高すぎれば、放熱もままなりません。
そこで汗をかきます。
汗が蒸発するときに熱を奪ってくれるので、皮膚表面の温度が下がるのです。

しかしさらなる問題が起こることもあります。
湿度が上がるほど蒸発しにくくなるのです。
湿度75%以上になると、汗は蒸発しません。

蒸し暑い時に、汗が体中を覆ってしまう。
そんな不快感は誰しも経験があるのではないでしょうか。
気化熱などあてになりません。まめに拭きましょう。


ちなみにゾウの耳が放熱に一役買っているのをご存知でしょうか。
大きな耳を団扇替わりに扇ぐ、のもありますが、
あの大きな耳に血液を流すことで放熱するのです。

人間はどうでしょうか。

人間はそれほどダイナミックな放熱はありませんが、
手足などは体積に比して表面積が大きいので、放熱に役立ちます。
取り分け足というのは熱の出口になるようで、
靴下が苦しくなったり、サンダルを履きたくなったり、、、

なのでお母さんがたは、
赤ちゃんにいつでも靴下を履かせて、熱をこもらせないよう気をつけましょう。
これは冬でも起こります。


さて熱中症、日射病は日陰に入れば基本的に回復します。
熱射病、要するに熱が内にこもった状態なら、涼しい空気を吸って中から冷やす方が得策と言えます。

夏は冷たいものを避け、熱いお茶を飲むべき、などという人もおりますが、
無理して飲んだ熱いお茶の熱は、ふたたび外へ向かって放熱します。
無駄な労働を体に強いることはありません。

熱がこもれば体は冷たいものを要求するのです。
倒れてからでは遅いのです。
要求に従い、快適に過ごしましょう。

2010年6月8日火曜日

きゅうり二個

先日友人と娘、三人で食事をしました。
友人との会話の合間に娘を見やると、
きゅうりの浅漬をしきりに食べておりました。

よく見ると厚めのきゅうりを箸で二個ずつつ、つかんでおりました。
どうも二個つかむのが気に入ってるようです。

突っ込んでみました。

「二個つかんでるよ」
娘はなにやら嬉しそう。

今度は注意してみました。
「一個にしなさい」
今度はムキになって二個つかんでおります。
もちろん得意顔です。

何度か同じ会話を繰り返しながら遊んでいると友人が、

「なんだソレ、なんかのネタか?」

センスのある友人にも不可解に見えたようです。
「ツッコミだ」
と答えましたが、
大人の会話の谷間で、ちょっと存在を認めたわけです。

もっとも私の遊びでもありまして、よくこんなことをやって遊んでおります。
たまに突っ込みすぎて
「嫌い!」
と言われてしまいます。



「ほら、見て見て」
帰宅した私に娘が言います。

なんのことか分かりません。
(ん?なにかいたのか?
   それともなんか買ってもらったのか?)

悩んでいる暇はありません。早く応えないといけません。
とりあえず状況をよく見てハズレなさそうな返事を返します。

「んん?自分でやったの!?」
・・・・

娘が喜びました。
(ヨカッタヨカッタ)


適当な返事をしているつもりはないのですが、
早く応えないと何を応えても充たされないこともあります。



門下生(内弟子)のころ、井本先生の気づかれること、ふと口に出されることに、子供のような喜びを覚えました。
それは小さなことであっても、認められる喜びでした。
そして整体を身につける上で大切な事でした。

整体をする上で、子供を育てる上で、
私の力は小さなものですが、
人の中で大きなものとして生きてくること、
そういうものを目指している気がします。

2010年6月4日金曜日

四肢と呼吸器

さて、四肢と呼吸器

馬シリーズにおきまして、
その走法と呼吸器の使い方を考えてみました。
しかし本当はもっともっと沢山の種で分析してみたいのです。

なにしろ私は、陸上動物において呼吸運動と移動運動は密接な関係を持っている
と考えているのです。

特に脊椎動物は昆虫などと違ってかなり積極的な呼吸運動が要求されるのです。

  海から陸に生息域を移行する中で、

  肺を使う新しい呼吸運動を獲得する中で、

呼吸運動と移動運動がどう折り合いをつけ、どう協調を図ったのか?

これは重大なテーマだと思うのです。


手足がロボットのように動いている人には、
呼吸と移動の協調を感じにくいですが、

全体が滑らかに連動している人には協調を感じます。

この差は体を上手に使えるか否か?
という問題にとどまらず、
健康であるかどうか?
という誰にでも関係するテーマだと思います。

体の緩んだ黒人が
肩や首でリズムを取りながら歩いております。
ラップという形でその呼吸を表現したりします。
体の硬直した人が真似をしてもなかなかサマになりません。
まさに”呼吸がつかめない”のです。

もちろん体が緩んでいれば皆ラップが上手というわけではありません。
呼吸運動と移動運動の目に見える例として、受け止めて下さい。


さて四肢と肺
その成立は陸上動物がまだ海にいる頃に始まります。


生物学上この二つはどう関係しているのでしょうか?
ふとそんなことを思い、ネットで調べてみました。

するとマウス実験において
 『FGF10遺伝子を欠くと四肢と肺を欠損する』

というものがありました。

遺伝子レベルでも四肢と肺が関係深いというだけで、興味深い話です。

興味のある方は「FGF10 四肢 肺」などで検索されてみて下さい。


整体では四肢の中でも特に腕と肺の関係を重視します。

腕の疲労から肺の負担を見たり、
肺の負担から腕の使い過ぎを見たり、
臨床上とても大切なポイントとなります。

もちろん整体の知見は、遺伝子上での関係からではありません。
腕と肺が運動系から見た時に密接な関係を持っていると読むからです。

2010年5月24日月曜日

重さがあるから動くのだ

「タイトル通りなのだ。 これでいいのだ」

とバカボンパパのようにいきたいですが、そうもいきません。
一応、馬シリーズ、前回からの続きとなります。

まず、重さが運動に加算されるのか?
というところから始めます。


一般的には、重さは運動における負荷と見ますが、
使いようによっては、加担されると考えております。


「やじろべえ」などを見れば分かるように、
「両腕の先端に適当な重さ」があることで、動きが生まれます。

最初に「適当な力」を加えれば、しばらくは動いております。
「適当な力」「適当な重さ」の度合いが重要となります。

動物の運動はこれほど単純には見せてくれませんが、
いくつか例を上げてみたいと思います。

フィギュアスケート選手は腕を振ることで、体を回し始めます。
スピードスケート選手は腕を振ることで、足にその力を伝えます。

平均台に上がった人は両手を伸ばしてバランスを取り、
綱渡りでは、わざわざ長い棒を使うことさえあります。

逆に体を先に振ることもあります。

野球選手はボールを投げる時に、腕より先に体を振まわし、
イチロー選手などは打つ時にも、バットより先に体を振っております。

さて馬の話
「アゴに分銅のような働き」

首の太さや長さは、それ自体が重量物の特性を生かすことで、体を運ぶ働きに加算されます。
そして顔の先端、カギ型(首から顔の形状)の先端に重量物が少しあると、首の運動に加算されます。

馬は長い顔を持っております。
ニューっと伸びた顔の先に大きな前歯があります。
伸びた先にちょっとした重量物があることで、
首の運動に加算されているように見えるのですが、いかがでしょうか?


蹄のある動物のアゴはそこそこ似通っているのですが、
馬の場合、こんなふうに顔を振り回しているうちに、
顔が更にニューっと伸びまして、
馬面となったように見えてくるのです。


これが走行に加担するために、
サラブレットなどの競走馬のほうが、
馬面がより進んでいるように見えるのは私だけでしょうか?

われながら甘い理屈と思いますが、今のところそんなふうに見ております。

2010年5月11日火曜日

動物運動の多様性その2 ~馬の走り

馬、
哺乳綱奇蹄目ウマ科ウマ属
馬の運動ってどんななのでしょうか?

どんな運動を創り出した種なのでしょうか?

一般的に歩行様式は、四肢の接地順(右前肢→右後肢・・・など)で分類されます。
馬の歩行はバリエーションが豊富であり、競馬や馬術に歴史があるおかげで研究が盛んです。
ですので、本稿ではそうした一般的な分析はしません。
有り体に言えば、常識はずれな話であることをご承知おきください。




以前にもちょっと取り上げましたが、馬は斜めに走ります。

(アニメGIF動画、動いてない場合は、ブラウザをバージョンアップしてみてください)
首の動きにひとつのアクセントを感じないでしょうか?

比較してバッファローを見てみます。

伸びやかな首の動きがありません。
馬とはずいぶん違うことがお分かりになるかと思います。


先の馬の動画、
顔を左に向け、右斜め方向に走っています。

よく見ていただきたいのは、口先・首から上胸部に掛けて
ひとつの主導権のようなものを持っているところです。

そこを動かし、全身に運動を波及させている感じです。


馬に手綱さばきが通用するのも、主導権のある場所に手綱を掛けているのが一因ではないでしょうか。


対照的な動物は?
と考えますと、チーターがちょっと対照的です。

チーターが尻尾による方向転換をするのはよく知られております。

どんな感じか?
車のハンドルを切ったら後ろのタイヤが曲がるような感じ、ではどうでしょう?

運動の違いを物語るかのように、両者の首と尻尾の発達度合いは対照的です。
チーターに手綱をつけても捌きにくそうですね。
試しに尻尾につけてみたらどうでしょうか。
ま、冗談ですが・・・

ネコ科の動物全般、尻尾は発達してますが首は短めです。
比してイヌ科となると尻尾も首も発達しております。
首と尻尾だけで比較すると、馬とネコの間にあります。
ではどんな運動か?
そんなことを観察するのも面白いでしょう。
(今回は取り上げません)


ちょっとしか出てきませんが、チーターを見てみます。
チーターの顔のブレの”なさ”(最初の数秒)が見所です。
胴体の激しい動きがありながらも、顔は安定した場所にあり続けます。



1分47秒:走る馬の正面スローがあります。

見比べると馬の特徴がよく分かりやすいですね。
首をクイッコ!クイッコ!やってるのよく分かるかと思います。
ちなみに馬が停止する時、左右にブルブルやってるいのも、そんな運動方向の表れだと思います。


さて、首から上胸部に向けて片方に向くと、どんな作用があるのか?
試しに馬の真似をしてみました。

首の力をちょっと抜きまして、首を伸ばしながら、
そして軽く投げ出すように左を向いてみます。
すると右の肺が拡張しながら、右手にドンっと力が乗ります。
(しかし止まったところからやると、左手にかかると思います。
走ってるつもりで、馬の真似をしてみて下さい)
また右の鼻の穴から右肺までの気道が開放されるような感じがあります。

長距離を走るには片肺ずつ偏りを持たせる方が、体力が持つのでは?
そんな気がします。

そういえば学生時代、持久走で疲れてくると、右へ左へしながら走ってる人がいました。
彼の先祖は馬だった?
きっとそうに違いない。もっとよく観察しておくべきでした。

角速度
自転車などで緩やかなカーブを曲がるとき、車体を少し倒しただけでスピードに乗ってきます。
倒れるときの角速度が進行方向に加算されるわけです。
何となく無風状態といいますか、あくせくこぐことから開放されて楽になる瞬間です。
映像的にもよく使われるシーンですね。きれいな女性がスイーっと通り過ぎるような・・・

馬もそんな角速度と片肺モードを使っているのでは?
と思っております。


さて馬の真似について、補足しておきます。
左に向いていくと右手に重心が掛かります。

このとき馬ならどちらの足をつくか?
これはあまり重要ではありません。
重要なのは重心が体の外へ外れていくことです。
ここに馬の走法の妙があるのだと思います。

2010年5月10日月曜日

動物運動の多様性その1

動物の進化とは不思議なものです。

多様な現生動物の祖先も、元を辿れば1種類であり、
すべての生物が派生モデルと言えます。



四つ足で歩く動物も、
海の中を回遊する動物も、、、

同じ人間でも、
あいつ宇宙人か?と思えるような頭のイイ人も、
あいつ地底人か?と思えるようなアンダーグラウンドな人も、、

みな、溯れば、
 系統樹の幹に吸収され、
  一箇所に集まって行くのです。

数えきれないほどの多種多様な動物、
何かに適応するために進化を遂げたようですが、
高度に進化したと思われる動物が
単細胞のままの生物に滅ぼされたりします。

海で生まれたとされる生命ですが、
なぜか陸に上がったものがおります。

みんなが四つ足で歩いている中で、
わざわざ二本足で歩いているのがおります。
それもなるべく直立しまして、
姿勢を良くしましょう、などとやっているのです。

そんなくたびれた人をつかまえて、
整体をする人までいるようです。

四つ足の動物たちから見たら、
無理して立たなくても・・・四つ足でいいじゃん。
「俺らと同じはいやなのかよ、、」
などと思われているのかもしれません。

人間はどうも、かなり、直立して二本足で歩きたい生き物のようです。


そんな進化を決めたのはDNAなのか、
それとも神なのか、

いろいろあっていいと思いますが、

私は動物の進化を決めたのは

「運動の創出では?」

という視点で考えるのが好きなので、
ひとまずそこから考えております。

動物の中でも人間は、
これまた多様な運動をします。

野生動物の運動はほぼそのまま生命活動に直結し、
何代もかけて同じような運動を繰り返していきます。

対して人間の運動は、
生命活動と直結しないものが溢れております。

仕事上、生活上は言うに及ばず、
スポーツなど、ほとんど生きるのに無用なものなのに、
一所懸命練習しております。

みんながいろんな運動をしているため、
整体では一人一人の体を読み
オーダーメードで操法することが要求されます。


さて、その人間の運動を見ていくのも大事ですが、
動物の運動を見ていくのも面白いものです。
動物のほうが何代もかけて同じような運動をしているせいか、
形態的にも変化が見られ、分かりやすいのです。

さて次回は本題に入ります。
(すいません)

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