さて、四肢と呼吸器
馬シリーズにおきまして、
その走法と呼吸器の使い方を考えてみました。
しかし本当はもっともっと沢山の種で分析してみたいのです。
なにしろ私は、陸上動物において呼吸運動と移動運動は密接な関係を持っている
と考えているのです。
特に脊椎動物は昆虫などと違ってかなり積極的な呼吸運動が要求されるのです。
海から陸に生息域を移行する中で、
肺を使う新しい呼吸運動を獲得する中で、
呼吸運動と移動運動がどう折り合いをつけ、どう協調を図ったのか?
これは重大なテーマだと思うのです。
手足がロボットのように動いている人には、
呼吸と移動の協調を感じにくいですが、
全体が滑らかに連動している人には協調を感じます。
この差は体を上手に使えるか否か?
という問題にとどまらず、
健康であるかどうか?
という誰にでも関係するテーマだと思います。
体の緩んだ黒人が
肩や首でリズムを取りながら歩いております。
ラップという形でその呼吸を表現したりします。
体の硬直した人が真似をしてもなかなかサマになりません。
まさに”呼吸がつかめない”のです。
もちろん体が緩んでいれば皆ラップが上手というわけではありません。
呼吸運動と移動運動の目に見える例として、受け止めて下さい。
さて四肢と肺
その成立は陸上動物がまだ海にいる頃に始まります。
生物学上この二つはどう関係しているのでしょうか?
ふとそんなことを思い、ネットで調べてみました。
するとマウス実験において
『FGF10遺伝子を欠くと四肢と肺を欠損する』
というものがありました。
遺伝子レベルでも四肢と肺が関係深いというだけで、興味深い話です。
興味のある方は「FGF10 四肢 肺」などで検索されてみて下さい。
整体では四肢の中でも特に腕と肺の関係を重視します。
腕の疲労から肺の負担を見たり、
肺の負担から腕の使い過ぎを見たり、
臨床上とても大切なポイントとなります。
もちろん整体の知見は、遺伝子上での関係からではありません。
腕と肺が運動系から見た時に密接な関係を持っていると読むからです。
2010年6月4日金曜日
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