整体の技術において、呼吸は大変重要なものです。
呼吸についていろいろ考えてみます。綾小路きみまろさんの口上の中に、こんな一節があります。
昔は立つときに『どっこいしょ』と言いました。
今は座るときに『どっこいしょ』と言います
正確な文言は忘れましたが、おおよそこんな意味でした。中年期の体調変化を上手く表現されていると感じます。
答えを先に言えば、体がくたびれてくるとそのような状況になってきます。
過呼吸とため息
「吸い」が緊張「吐き」が弛緩
という単純な図式があります。
緊張して「吸い」ばかりが過剰になると、いわゆる過呼吸状態となり過喚気症候群と呼ばれる症状を呈します。
気力が萎えた時など、体に力が入らなくなってくると「吐き」が目立ち「ため息」などになって表れます。
もちろんリラックス状態を誘うための「吐き」というのもあります。
体の動きとして観れば、
「吐く」時には体がゆるみますので、伸びてきます。
「吸う」時には体が緊張してきますので、縮んできます。
やってみる
試しに「どっこいしょ」
とやってみるとよく分かりますが立ち上がるときは、体を緩め伸ばしますが、緊張感があります。
座るときにやると「ぐでぐで」っとしないと座れません。
如何にもくたびれた状態です。
こんなふうに座る人をよく電車の中で見かけます。
何も中年ばかりではありません。
むしろ若い人に多い気もします。
「どっこいしょ」
と言わないまでも、一気に息を「吐き」ながら座る人は皆この部類です。
大抵「どさっ」とまるで荷物のような音を立ててしまいます。
吐きながら座ると、力の調整が難しいのです。
試しに吸いながら座ってみて下さい。
ゆっくり座ることが出来るはずです。
中年に差し掛かった私も、座ったときに思わず大きな音を立てることがあります。
「疲れてるな」
と実感するのであります。
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