野口晴哉氏が「風邪の効用」を著してから数十年が経ちます。
帯評に山口昌男氏のコメントが載っておりました(山口氏の著書からの抜粋)。
確か新しい風邪の捉え方ウンヌンと書いてあった気がします。
山口昌男といえば文化人類学の権威です。
ここでも再三書いておりますが、病気というのは生物・医学的な現象かもしれませんが、病気観は文化と言えます。
今は医療人類学というのがジャンルとしては当てはまるようですので、こういう分野でも風邪について考察してほしいと思うのです。整体はその最前線ではないかと思います。
整体では風邪に対して治る・治す、という言葉はあまり使いません。かわりに“経過する”という言い方をしております。
言葉の使いようと言えばそれまでですが、病気観の転換がますます必要な世の中になってきたと思います。
井本先生が以前に「病気と上手に付き合って生きていく」
というフレーズに現代の病気観を感じられていました。
「最近はそういう言い方をするんだねえ」
と先生独特の響きのあと、何か考えられておりました。
その何か、は分かりませんが、井本邦昭先生の最初の本は
「風邪をひけ!熱をだせ!」です。
サブタイトルは~ガンにならないからだをつくる整体法~
もう12年も前のことです。
この本には井本先生の風邪に対する考えと整体法の基礎が書かれております。
風邪による体の調整作用を止めてしまうために、いずれは大きな破壊をしなければならなくなる。それがガンとなることが多くなってきた。
小さなツケを払わないでいると、ついに大きな負債を払う時が来る。
当時の世の中と絡めてそんなふうに書かれています。
この本は長い間絶版となっていたのですが、2年ほど前に三樹書房から復刊されましたので、興味のある方はご覧になってみてください。
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