整体操法を作り上げる過程で、沢山の手技療法家が話し合ったようです。
それぞれ名人の方々だったようですが、専門が分かれていたようです。
足だけ、お腹だけ、背中だけ、尾骨だけ…
具体的な話し合いの内容は分かりませんが、面白いエピソードを伺ったことがあります。
足を専門とした治療家は
「木だって根っこから養分を吸収する。人間だって足が一番大切だ」
その反論が面白い
「確かに木は根っこから養分を吸収するが、人間は腸から吸収する。よってお腹が一番大切である」
それぞれ主張しあったようです。
もっと沢山のエピソードを聞いてみたいと思いますが、私はあまり存じ上げません。
私にとって興味深いのは、人間をどう見るか?
という視点で主張があったということです。
現代医学では、脳を最高中枢として考えるのが主流でしょうか?
諸説あるでしょうが医療上は混沌とした印象があります。
よく分からないものを自律神経失調症とくくっている気がしてなりません。
更年期と関連してか、ホルモンバランスも注目されております。
癌との関連と思われますが、免疫系統を治療上の上位に据える方も多いです。
分子生物学が発達して、遺伝情報をより上位に据える方向もあります。
分子生物学の発達により、解剖学や形態学は劣勢を強いられているようですが、健康産業界では「ゆがみ」というフレーズは根強い支持がありますので、一般的には形への興味は尽きないようです。
「整体は運動系統を診る」
と何度も教わりました。
運動系統から中の状態を読んで、運動系統にアプローチすることで中の状態を変えていくということです。
もっとも井本先生はそれ以上のものを診てらっしゃいましたので、「運動系統を…」というのは基本、原則のものと私は理解しております。
整体操法でも形を診ますが、形が表れる理由を観ている、と言ったほうが正確です。
そうしたわけで、形の矯正という考えはほとんどありません。
個人的には人間の個性の巾は、他の動物とは比較にならないくらい多様なものだと思います。
表現された形に個性を感ずれば、何でも鋳型に押し込むような考えは不自然なことに思えてきます。
ほったらかしにしてもいいということではありませんが、その人に必要なものを診ていくというのは、形の矯正ではまかなえないものと思っております。
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